よく聞かれる質問です。
ブリーディングを行うにあたり特に必要な資格はありません。
考え方によれば「今すぐ誰でもなれる」仕事なのかもしれません。
※販売、預かり等行うには「動物取扱業登録」等の資格が必要です。
ですからよくある話で、牡・牝の犬をツガイで飼育されている方のお宅で自然繁殖してしまったり、その喜びが高じてバックヤード・ブリーダーになってしまうなどということが起こるわけなのです。
昔は、ショー・ブリーダーなどのお偉い大家と言われる専門家に無償に近い形で下働きを重ねたり、弟子入りし、その「先生」から何匹もの高額な犬を購入することによって初めてお教えを受けられる状態でした。
その「先 生」の許可がなければ勝手に交配もできなければ、販売をすることも出来ませんでした。
「先生」がドッグショーに出展するとなれば前日から準備の手伝いに入り、手弁当で応援をすることも必須でした。
今は、それなりにお教えくれるブリーダーも増え、環境は恵まれていると思います。
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ただ、ブリーディングを始めようと考えていらっしゃるのでしたら良く考えてください!
1.犬1匹にヒート(生理/発情期)が年に2回来る。
2.1度の交配によって4〜6匹の子犬が産まれる。
3.親犬はペットショップで20万円にて購入したから同程度で販売できるだろう。
4.計算すると母犬1匹いると1年間に200万円の売上は見込める!!
5.母犬を10匹も持てば年収2,000万円も夢でない・・・。
などと言うことは絶対にありません。
ヒートは順調に6ヶ月周期ではありません。
1度の交配で必ず受精するわけもなく、せっかく妊娠しても育つ数は0匹などと言うことも当たり前。
しかも、交配料、健康管理 費、帝王切開等の医療費、衛生管理費、ドッグフード代、サプリメント、ワクチン接種代、その他もろもろの飼育費がかかります。
ペットショップへの卸となれば買い叩かれ、店頭価格の10〜20%で購入してくれれば感謝しなければというところ。
ブリーディングから利益を得ると言うことは非常に難しいことと認識しておいてください。
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ですからブリーダーを専業としたければ、ドッグ・ショーの有名な専門家として犬の価値を高め高価格で販売できるスキルを作るか、母犬(台牝)を数十〜百頭も持つ大規模ブリーダーとして低価格であろうとも出産頭数でカバーできるようにするか。
いずれにせよ当初の「大好きな犬の幸せのために人と犬を結ぶ」と言うポリシーからは逸脱しそうです。
犬好きであるという趣味を高じさせて、知識を重ね、コネクションを作り、自身が満足して管理できる頭数のみをブリーディングさせるレベルが最適と思います。
専門家に礼を尽くし、知識を得ましょう。
インターネットでも意外と多くの知恵を得られる時代です。
※間� ��えた知識も氾濫しているので精査することが重要になります。
子犬の購入先や近隣のペットシップやブリーダーから教えも得ましょう。
獣医師とのコネも大切です。
出来ましたら休日や営業時間外などの対処も必要となってきますから数件の動物病院と懇意にしたいところです。
ドッグ・ショーの専門家、プロ・ハンドラー、プロ・トリマー等犬に関する専門業も数多くあります。
各専門家からの教を請うことも重要です。
それでも事故などにより亡くなる犬もでてきましょう。
犬が好きだから初めたブリーディングによって、その大好きな犬が死ぬということ。
切なく、むなしく、辛い時間でしょう。
ブリーディング → 商売 → その為に愛犬が亡くなる。
金銭のために大切な愛犬の命をさらす覚悟がありますか?
奇形を持った子犬が生まれる可能性もあります。
それはどのように質の高い両親の元でも先天性疾患や異常を持った子犬が生まれる可能性はあるのです。
どうしますか?
殺処分できますか?
奇形のまま育てられますか?
そのような奇形を持った犬が10頭になったらお宅で育てられますか?
頑張ってくれた母犬も年を召してきます。
出産も出来ない 老齢となった犬だらけになったらどうしますか?
商売としてリアルに考えるのならば、金と時間と場所だけが費やされる邪魔な存在となります。
無制限に飼育数を増やせるほど広い住宅に住まれているのですか?
クールにビジネスと割り切って処分できますか?
どんなに気を配ろうと、無駄鳴きもあり、臭いも発生します。
犬を飼育しだせば、365日年中無休24時間体制で対処するつもりが必要です。
近所、家族の寛大な理解が必要となります。
近所の方にとっては、うるさく、臭く、迷惑なだけの話。
家族にとっては、旅行も行けなくなり、出産や体調の急変などで突然絶対しなくてはならない事案が出たり、手伝いなどもしなくてはならなくなります。
いずれかが否定するようでしたら、一歩たりともスタートできません。
周りの理解と協力がなければ絶対に出来ないビジネスがブリーダーです。
私の個人見解です。
専業としてのブリーディングは止めた方が良いでしょう。
趣味が高じた結果の繁殖家を目指� �たいものです。
「シリアス・ホビー・ブリーダー」これが正当な繁殖家を志すブリーダーの目指す先だと思っています。
ちなみに通信教育や専門学校などで「ブリーダー」になれると謳ったセミナーがあります。
意外と高額で驚いてしまいます。
正直申して通信教育で出来るほど簡単なものではないと思っています。
時間の決まっている学校での教育では表面上のものしか伝えられないでしょう。
はっきり申して「ムダ」な行為だと思います。
そのようなことで時間と費用を費やすのでしたら、頭を下げ、専門家に請うべきと考えます。
多くの障害があり、苦労も多く、辛いことの割には、利益が薄いと言ったブリーディング業かもしれません。
しかし、それを上回るほどの楽しさや幸せを得られるのもブリーダーだからこその気がいたします。
2010.4/1
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